平澤晴花のMAZARIBA滞在記:前編

MAZARIBAの屋上から
MAZARIBAの屋上から

海や空は果てしなくどこかに繋がっている。その果ては本当にどこにもないのかな?

ーーそんなことを大人にしきりに訊ねていた子どもだったなあと、MAZARIBAの屋上でふと思出しました。

外から家に帰ってきてほっとするのは、その小さな自分がどれくらいの大きさなのかがわかるからほっこりするのかな。身の丈ってなにかはっきりするから、暮らしというものが寄り添ってくれるのかな、そんなことをつらつら考えています。

平澤晴花さん
平澤晴花さんは、日本と海外を往復しながら生活している

「女性の視点で、さわやかにMAZARIBAをdescribeして欲しい」

と、オーナーからお題をいただき、書くための素材を探していたら、いちばん美しいのがこの天井の上に広がる屋上の空だなー、と思ったので冒頭書きました。筆者は現在海の向こうで暮らしていますが、時々仕事の都合でこちらのシェアハウスを利用している日本人です。よろしくお願いします。

屋上のミニトマト
屋上のミニトマト

今(8月中旬)、MAZARIBAの屋上にはミニトマトがたわわに実っています。

誰かに食べられるのを待っている状態です。普通、この日本でミニトマトを食べたいなと思ったら、スーパーに行って買うか、もしくは自分の私有地の菜園でとれたものを食すかだと思います。

しかし、ここはミニトマトの楽園。だれでも好きに食べていいことになっています。オーナーが植えたものに、水やり当番さんが水を与え、住人であれば勝手に食べていいというシステムです。

ーーこうして屋上のプランター園芸なんてものをつらつら書きだしてみると、牧歌的なシェアハウスの暮らしに思えますし、はっきり言ってこの話は何のオチもないのですけれど。ただひたすら愚直な感覚で、この営みがいいなと思っています。植物を一緒に育てて、生活の機微を共有したりする、それがちょっとした奇跡みたいに愛おしいなーと思って。

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閑話休題。血沸き肉躍る話にしましょう。先日、この屋上で、プール&BBQパーティーが行われました。

2019年8月12日 屋上プール&BBQパーティー

肉をひたすら焼く職人に徹するひと、女性と肩を組んでプールに入りたいひと、ひたすらおしゃべりをしたいひと、買ったばかりのカメラで360度撮影をしたいひと、複数恋愛を公言するひと、関係にひびを入れたくない大切な人を思っているひと、スイカ割するひと、割れたスイカを貪り食うひと、宴もたけなわなのに自分の部屋にドロンするひと、遠い町からやってきたひと、そもそもどこからやってきてどこに向かうんだろうとつぶやくひと、気が付いたらパートナーが先に帰っちゃってるひと、プールに入ったままの身体を夜風に当てすぎてお尻が冷え冷えになってしまったひと、離婚して肌がきれいになったひと、人のお財布で肉を追加で買わせるひと、人見知りのひと、会社員のひと、知的障害のあるひと、毎日玄米を食べているひと、お酒の飲めないひと、特定の異性に振り向いてほしいひと、不特定多数の誰かにちやほやされたいひと、発達障害のあるひと、お酒を飲み過ぎたひと、終電で帰るひと、時間など特に気にしていなそうなひと。MAZARIBAに入居を考えているひと。さまざまなひとがいて、自意識も存在感もアイデンティティも混沌と、とろとろにとろけた空気を吸っては吐き続ける人間が空間を占める大半になり、酩酊と酔狂の饗応空間だったこの屋上。

ミニトマト
8月12日のミニトマト

「(トマトは)まだまだ甘えん坊の6歳児くらいよ。青くてなまっちょろい。(熟れるのは)お盆明けくらいかな」と。

私の予言通り、8月15日に、ミニトマトは無事赤く実りました。3日ばかりのあいだに、6歳児は思春期の青年くらいに急成長しました。見立てはばっちりということでみんなで美味しくとれたての果実をいただきました。

植物は動きません。ひっそりとそこにあるだけ。野菜であればそれを植えたひとがいて、世話を焼くひとがいたりする。手入れをしなければ枯れるし、過剰に水を上げ過ぎたら腐って枯れてゆく。時が来て、収穫の時を迎えることを期待する。ここのシェアハウスも植物のような存在かもしれないです。

後編に続く
https://mazariba.jp/archives/621

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