ユニークフェイスのMAZARIBA滞在記④〜住人はどんな風にユニークフェイスを受け入れたか〜

石井政之さん
石井政之さん

ユニークフェイスとは、顔にアザやキズなど目立つ症状のある人を意味しています。MAZARIBAのメンバー(住人)の石井政之さんは、顔に生まれつき大きな赤アザがあり、ユニークフェイスの当事者のひとりです。この連載では、作家でも石井さんにMAZARIBAに住んでもらって感じた事を綴ってもらっています。
【過去の記事】
・第1回 ユニークフェイス当事者として川崎で生きる①
・第2回 ユニークフェイス当事者として川崎で生きる②
・第3回 ユニークフェイス当事者として川崎で生きる③

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■個性と出会いの場としてのシェアハウス

 MAZARIBA川崎は、多様な人間の出会いの場であり、生活の場だ。
 顔に疾患や外傷のある当事者のことをまとめて、ユニークフェイスと呼ぶ。私は、そのユニークフェイス問題の当事者であり、当事者運動の活動家、そして文筆家である。さらに、生活のために会社員もやっている。多様な顔を持つ男である、と思う。


 オーナーの内田さんは、さまざまな経歴と背景を持った個性的な人たちを、このMAZARIBA川崎に棲まわせてきた。私もその一人。
 内田さんから、連載のテーマとして、他の入居者が、ユニークフェイスの石井に慣れていった様子を書いてほしい、というリクエストをいただいた。
さっそく他の入居者にコメントをお願いした。

 

■ユニークフェイスなオッサンに慣れるとはどういうことか

Q.ユニークフェイス石井に慣れたプロセスを教えて欲しい

  • 漫画家のOさん(女性)
    • 自然な感じで、私は特に違和感を感じませんでした
  • 芸術家のIさん(女性)
    • ほぼ同時期の入居で内田さんからもどういう方か伺っていたので、初めから特に慣れないといったことはなかったです
    • やはりマザリバで出会ったというのと、事前情報があったことで、触れちゃいけないみたいな壁がそもそもなかった感じがします
  • 同じく芸術活動をしているKさん(女性)
    • 私は石井さんと他の人のやり取りを見て慣れた部分が大きいですー!
    • 最初お顔を拝見した時に、痣(?)について言及しても良いのか分からずちょっと緊張してしまいました。
    • が、内田さんをはじめとする他の人と普通にお顔の話をしているのを見たことで、「あ、こういう感じで良いのか」と言うのが何となく分かりました。
    • 石井さんと他の方のやり取りを見たことが、私にとっては石井さんチュートリアルでしたw

このように特に問題なし。

こんなにスムーズに、他人がユニークフェイスの石井に慣れたことについて、私は「普通のこと」とは思っていない。このMAZARIBAは、入居者の半数以上が表現者という環境。本人が個性的で、そういう人の周りには個性的な人が集まりやすい。個性的な人たちとのコミュニケーションに慣れた人たちだ。だから、ユニークフェイスという個性をもった私に対して、短期間で慣れた、と思っている。

2019年11月29日、入居者の歓送迎会の様子
2019年11月29日、入居者の歓送迎会の様子

 

■自分とは何者なのか、自己紹介という通過儀礼

 入居にあたって、私も環境適応をしやすいように、いくつか工夫している。
 はじめにやったことは、1階の交流スペースの書棚に、拙著を10冊以上並べておいたこと。書籍を読むかどうかは気にしていない。物として、書籍があることで、このオッサンは、物書きなんだ、ということは伝える。


 対面して話すときは、いつも通り。目を見て話しをする。事実をベースに自己紹介をする。相手に対しては、MAZARIBAに入居した理由と、職業を聞く。それ以上、立ち入ったことは質問しない。私のことに深い興味をもった人には、書籍を読むように勧めた。口頭で説明すると最低でも「6時間くらいかかるから」と。(人間50年も生きていると、6時間くらい話すネタはある)。
 変な顔ではあるが、とんでもなく変な人間ではない、という自己紹介だ。

 

■ほどよい距離感を探って、生活する

 MAZARIBAでは入居者同士のコミュニケーションツールとして、facebookのグループチャットを使っている。ここに、ユニークフェイス活動情報や、川崎で暮らす上で気になったことや発見などを書いていく。普段のコミュニケーションをするだけ。
 1週間もしたら入居者と冗談を言い交わすくらいの距離感はつくれたと思う。


 私が気にしたことの一つは、私以外の入居者はすべて年下なので、自分の知っている情報は古いと自覚することだろうか。
 情報の最先端の現場にいる、テレビディレクターの内田さんと話していると、その情報は古い、昭和の価値観だ、と突っ込みが入る。これはありがたかった。


 約十年の地方都市暮らしをしていたので、首都圏の生活には、どうしても浦島太郎のような感覚がつきまとっていた。このギャップを、シェアハウスの生活で埋めるように心がけた。


 首都圏を離れていた約10年間のうちかなりの期間を、営業マンとして働いた。営業マンとして、人と適度な距離で話しをする、話しを聞く、嫌われない程度に本音は言う、というスキルが役立ったと感じる。
 入居者のおおくは、自由を愛する人たちで、誇りをもって自分の仕事をしている。自然に好感をもてた。嬉しいことだし、恵まれた環境だと思う。


川崎にあるシェアハウス「MAZARIBA(まざり場)」では、入居者を募集しています。物件の詳細情報はこちらをご覧ください。
https://mazariba.jp/guide
またシェアハウスのポータルサイト「東京シェアハウス」にも写真が多数掲載されています。
https://tokyosharehouse.com/jpn/house/detail/3423/